鈴「希望の曙光」

 
審査コメント
「夜の夢の時間が終わるころに昇ってきた太陽。」とは、この写真を撮られた方のコメントです。散歩の途中にのぼった朝日に感動し、カメラをかまえる。誰もが経験してきたことかもしれません。この写真の見どころは、氷川丸の背後にのぼる太陽、かと思いきや、写真の右下に少しだけ写るコンクリートだと思います。この斜めに写りこんだ堤防からは、急いでシャッターをきった撮影者の方の身体の揺れ、つまりは感動の強さが伝わってきます。

────大澤紗蓉子(横浜美術館学芸員)